2002,08,29
2010,11,01更新
そもそも、災機隊は阪神淡路大震災(以後阪神淡路と略します)時に、実際に活動された、全国移動無線センター(MCA無線)や支援者の方、企業などの意見を参考に発起させたものです。
質問にある「なぜ業務無線なのか?」というと、阪神淡路の場合は早朝であるため就業されていた方の比率が少なかったようですが、新聞配達や回送車両の運転など、早朝勤務や24時間交代制で勤務していた方も居られた事を忘れないで下さい。
実際、阪急電鉄のガード下にある交番のお巡りさんも、瓦礫の下になり殉職されています。
発生時間帯により、皆さんが仕事中に被災することも、けっして無い訳ではありません。
現実的な話ですが、ご商売をされている方にとっては利益が気になることと思います。
この売り上げをもたらすのは『社員』や『お客様』、そして『取引先』だと言うことに気がついていますか?
もちろん、そこには「お店」や「会社」のウツワ(建物)が在っての事です。
身近な例ですが、とあるショッピングセンターの駐車場で、お客さまの車が車上狙いの被害にあいました。ガラスを割られ、物色されたのです。
そのお客様曰く
「もう、あそこでは買い物しない。またヤラレるかもしれないから」と一言。
仮に、このお客様が年間300万円のお買い物をしていたとすれば、まるまるロスとなります。それだけではありません、当人だけでなく、周囲の方まで買い物をしなくなれば、それ以上のマイナスとなり、「社員のリストラ」「賃金カット」という状況に陥る可能性があります。
損益の規模は、大企業であるか個人商店であるかの違いはありますが、たった1者(社)を失うことで、大きなロスが生じることには違いありません。
これは火災や地震などでも同じことが言えます。
永年住んでいたのに、火災で引っ越してしまったり、復興の目処が立たずに、連鎖倒産したりと、多種多様の問題を残していくのが「災害の特徴」なのです。
それと、もう一つは『社内と周囲の安全確保』です。
営業時間内に被災すれば、外回りの社員の安否を心配しなければなりませんし、社屋(建物)の心配もしなければなりません。
阪神淡路の時には社屋が気になり、途中の倒壊家屋から要救助者を救う為、会社に置いてある道具を取りにいったという方や、被害の少なかった社屋を、臨時に救護室として開放したりと、『従業員や周辺住民に、どのようにして対策し、何をすれば利を守る事が出来るのか?』を考えて、企業内防災を促進してもらいたいのです。
そこで、企業の皆さんにもこの事を理解してもらう為、あえて業務無線を使用する企業にも参加していただくようにしているのです。
言葉で言うよりも図式にした方が解りやすいと思います。次記を参照下さい。
1)企業⇒従業員⇒従業員の家庭
2)企業⇒得意先(お客様)⇒家庭
3)企業⇒周辺住民
企業がキーステーション(軸)となり、1人でも多くの顧客に安全対策をしてもらうことに意義がある。そうしなければ、明日の利益はありません。
結論:身近な人が被災しなければロスはない!
それと、阪神淡路の時は「MCA」さんがリグを提供されたのですが、それらを現場では上手く使いこなせなかったという事実があります。やはり、常に使っている方々に手渡れば、使い方も通話方法もご存知でしょうから利便性がアップしますよね!
このことからも「業務無線」使用者が、事前に集合体(活動体)となっていれば、支援品の鉾先として、その方々を目標にできるでしょう。
こういう発想を持っていただけると助かりますよね。
会社の玄関先にも、災害機動通信隊のトレードマークを貼り出せば、自社のPRに貢献出来ると思いますよ。
是非、ご参加を…。