2012,02,07
結論からいいますと、災機については法人格は必要無いかと思われます。というより、法人化出来ないといった方が早いかもしれません。
理由として、
1、市販されている全ての通信網を活用する為、どなたでも活動出来る様にしておく事で、万人向けの活動体となれる。
2、専従者は少数では無理。
情報の鉾先が多くなればなるほど、その場で取り扱いのできる人数が必要となる。
3、活動負担の軽減(特に引上げのタイミング)
一人の活動者に背負わす事は出来ない。
4、独立管理のメリットを活かす為。
本局一極制ではない。取扱う事案の相違も関係する。複合要素もある。
以上、法人化には、組織改革も必要となり、当然、参画する全員が同じ動きを行う事となります。
独立管理の意図でもご紹介しました通り、災害や犯罪は人口密度や土地柄に左右され、全ての活動者が同じ条件とはなりません。
ましてや、抱えるスタッフ数も関係します。
また、未成年の学生も参加出来る様になっており、業務無線以外は「趣味」の域を逸脱する事は出来ません。
簡単にいえば、生活の中に溶け込んだ、「通信」という武器を有効に活用するのが民間防災の「災機」です。
例えば、「災機の専用回線を持ち、政府や官庁と直接回線が開ける!」となれば、公職側の身分となるでしょう。
当然、そうなれば仕事として従事する事は可能ですが、ここに向うのではありませんよね。誰でも使える武器として、ワラをもすがるワラのかわりとして、今手持ちにあるツールを使う為ですよね。
そうしておかないと、つながる仲間は増やせませんし、新たなチームは発生しません。専用機の開発や、ネットワーク回線の費用、先立つ事項に手間取っている間に、皆さん方はこの世に居ないかもしれません。
こうなると存在自体が無意味になってしまいます。そこで「任意団体」であっても動きがとれる様に、頭に「民間防災」をくっつけてあるのです。
話は逸れますが、「民間防災」がなくて、「通信支援」だけで展開する事となった場合、どうなるか?を一度考えてみて欲しいのです。
今手元にある品々(D-Bookも活動ファイル)も、今のような事務局も一切無い状態で、何のしがらみも無く、皆さんが始めて立ち上げようとするなら。を一度考えてみて欲しいのです。
実の所、この部分は私が抱えている問題点でもあります。
私が他界した後の事をそろそろ考えておきたいのですよ。
その時点で、活動ファイルの更新は無いでしょうし、バイブルの中味を精査する事も無くなるでしょうし。そう思うと、改訂方式を止め、正式グッズ化しておかねばなりませんね。
その為にも、今回のような状況報告が必要なのです。事前に手を打てる部分は、統一基本に書き添えてありますが、変則事案となると、活動者の思いを理解しながら進めて行かねばなりませんからね。
元に戻しますが、法人格を持つ事で、予算取りが効く=活動路線の固定化。
決められた人員で運営(組織の固定化)=自由発想、自由参加が出来ない。
資産予算を得られるくらいの便利屋となれば、法人格を持つ方が有効かもしれませんね。
■信用と行動を表面化するならば…
組織自体を法人化しなくとも、動きやすくする方法があります。
アマチュア無線の社団局化です。
社団局化すれば、情報も公開しやすく、大手を振って通信する事ができます。組織自体を法人化するよりも、手っ取り早い方法ではありますね。
しかし、申請はエリアごとの総合通信局に行う事となりますので、大阪は3エリアで一ククリ、愛知は2エリアで一ククリと、細分されてしまいます。これでも使い道はありますよね。しかし、社団化には相当数の構成員が必要となります。この辺りで苦労するかもしれません。
ただ名称が生きるのですよ。申請時の名称を「基本活動名+通信部」とすれば、「支援内容」+「通信部門」の併設展開も見せやすくなります。
ここまでできれば、後は、既存の災機チームとの精通を如何に行うか?をクリアすれば良いだけです。ここからは、事業提携でも、協働項目でも納められるでしょう。
確かに「通信」は、動く部分の全てで必要となります。
今後発生しうる問題として、チーム構成と活動枠の違いによる弊害も出て来るでしょう。今の内に、運営運用がスムースになる方法を考えておきましょうね。
2016年3月追記
東日本大震災発生の年(2011年)の5月に総務省のご協力のもと、国内では最初で最後の全国統一コールサインをいただきました。
これは「民間防災」と「災機」の両面で用いることができる全日本社団局です。
アマチュア無線での参画者は構成員として名乗りをあげて頂ければ幸いなのですが、タイミングがあります。
そのタイミングを聞き耳をたてておいて欲しいというのが訓練要素にもなってはいますね。